ロンドンに着いた初日、本当に英語も不安すぎるしそもそも一人で海外など初だし、とにかくひたすらにビビりまくっていた
お世話になっているエージェントの話によれば、現地の空港に着いたら迎えがいるとのこと
エージェントを通しているわけだから、特に不安もなく、現地にいる日本人の方が丁寧にホームステイ先まで運転してくれるのだろうと考えていた
だが、現実はそんなに甘くはなかった
なんとかその”迎えの人”というのを見つけることはできた。どうやって見つけたのかは、全く覚えていない
アラブ系の運転手さんだった
前述した通り、てっきりそのエージェントの方、つまり日本人の運転手さんが迎えに来るものだと思っていたので、驚いた
エージェントの優しいお姉さんかと思いやアラブ系のターバンおじさんだったのだ
やさしいお姉さんがよかった。できれば美人の
とりあえず、もうその時点で怖かった。初海外で初アラブなターバンおじさんの車に乗り込むのだ
美人なお姉さんがよかった
語学学校の入学も事前に手続きしていたのだが、どうやらその学校手配の運転手さんだったようだ
車に乗り込もうとすると、もう一人、乗客がいることに気がついた。日本人の女の子
その子は別のエージェントで契約している女性だったのだが、同じ車に乗るということはきっと学校が同じなのだろう。(入学後に学校で見かけなかったから、おそらく同系列ではあるが違う学校だったと思う)
小柄な可愛らしい女の子だった。一人でないことがわかり、そこは少しホッとした
その小柄な可愛らしい女の子と、可愛くもなんともないデカめのアラブなおじさんと僕との、ホームステイ先まで3人でのドライブということになったのだ
そのアラブなドライブは、決して”ドライブ”といったおしゃれな響きのあるようなものではない
とにかく、運転が荒いのだ
恐怖でしかない
その小柄な子がボソッと「今日私たち生きてたどり着けるのかな…?」と言ったのを、今でもはっきりと覚えている
それほど運転が荒かったのだ
だから僕は、「大丈夫だよ…」と言ってぎゅっと抱きしめる
そんなことをできるはずもなくただただビビっていた
「そ、そうだね…怖いね…」
とりあえずそれだけは言えた
だが、密かにiPhoneの時計は海外に行くと勝手に時間がその国の時間に変わるというのをその時に始めて知って、それにもビビっていた
アラブおじさんとiPhoneにビビるなど、日本にいてはまずないことだろう
それから数十分ほどアラブなアラい運転に耐え、なんだかんだ無事に着いた。よかった
先にその女の子のステイ先に着いたので、その子とはそこでお別れ
その後、そのアラブなおじさんはまた激しいハンドルさばきで僕をステイ先へと連れて行った
数分間アラバーなおじさんと二人きりのドライブの後、やっと僕のホームステイ先に到着
もう緊張マックスだ。初めてのホームステイ
しかもかれこれ東京で数年一人暮らしをした後での、他人との共同生活になる
いろんな意味で、ビビるに決まっているだろう
今さら共同生活など自分にできるのだろうか。しかも海外で
そしてドアを開け、いざ、中に入る
その家はママと娘の二人暮らし。ママのほうが出迎えてくれた
「は、はろぉ〜…まぃねぇむいず……」
日本人たるもの、挨拶を欠かすわけにはいかない。ビビりながらもつたない英語をくりだした。だが
「そんなのいいからほら入って入って」
と軽く受け流されてしまった(そう言ったかどうかはわからないが、とりあえずそんなノリだった)
そんな挨拶の後、家を案内され荷物を置いてリビングへ。だがここでまた大きな恐怖が訪れることとなる
猫だ
その家には、猫がいた
僕は基本的に、ペットが苦手だ。犬も無理
でも、いた
現地に来る前、エージェントの人から「海外の家はペットいない方が珍しいよ」
といった話を事前に聞いていたので、ステイ先のペットの有無に関しての希望としては、
「まぁ…そこはしょうがないのでいてもいいですけど、できればいない方がいいですね」
くらいにしか言っていなかった
だが、一応ペットが苦手であることは伝えたはずなので、なんだかんだペットがいない家になるだろうと、うっすらそう期待していた
いるのかよ…猫…しかも黒いのかよ…怖ぇ…
だが日本では縁起が悪いと言われる黒猫も、イギリスでは逆にいい感じらしい
何がどういいのかといった詳しいことは忘れたが、とりあえずいい感じらしい
日本で言うところのハト的な存在のようだ
だは僕は本当にビビっていた
その日は軽く夕食を出してくれたのだが、ご飯を食べていると、テーブルの上に乗ってくる
その度に、ビクっとなる
もう、アラブなおじさんとのドライブの恐怖なんて忘れていた。猫にひたすらビビっていたのだ
そういえば、よくイギリスは飯がまずいと聞く
本当にまずい
まぁ、もちろん留学の目的は語学だ。飯を食いに来たわけではない
だから、飯がまずいとかそんなことはどうでもいいと思っていた。行くまでは
本当にまずい
もう、びっくりだ
基本的にイモと肉を皿に乗せただけ
事前にエージェントの方から、料理が口にあわないときはしっかりと伝えたほうがいいとは言われていた
でもママがいい人だったということもあり、しっかり食べた
言えるはずがない。まずいなどと
ちゃんと思ったことは言ったほうが海外ではいいのだろうが、やはり言えない
お金を払っているとはいえ、まあ作ってもらえることには感謝するべきところでもある
作っていると言っていいはかわからないが
芋と肉が皿に乗っているだけなのだから
そんなこんなでロンドン初日は、アラブなおじさんとのドライブにビビって黒猫にビビって芋と肉が皿にドンな一日で終えた
この日も、そしてこれからのロンドン生活にも、期待と恐怖を抱いてはいたが、恐怖が若干勝っていた
どんな4ヶ月になるのだろうか…
次のお話はこちら>>ロンドンでの語学学校初日の道のりは恐怖でしかなかった
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